実車について:
1959年に発表されたこのモデルは、
58年に発表されて人気を博していた「リーダー」のスポーティー版といえるものです。
BSAグループの一部であった当時に
革新的な 2気筒2ストロークエンジン(247cc、20bhp/6500rpm)が開発され、
アリエルで最もヒットしたモデルとなったそうです。
トレーリングリンク式フォークや、フレーム内にフューエルタンクや電装品などを内臓する
エンクロージャボディー構造などが特徴的です。
制作にあたって:
このキットは、Kim's Houseカレージ・オーナーから、
昔のプラモデルにはこのように面白いものがあると言って頂いたものです。
最初、何が面白いのかさっぱりわかりませんでした。
デッサンの狂いや、モールドの稚拙さのことをいっておられたようですが、
私は模型とは修正して作るものと
処女作のCR110で思い込んでいましたので、これも作ってみれば面白味がわかるということか
と作り始めてしまいました。
(すぐに誤解だとはわかったのですが、制作意欲が沸いてしまっていたので、そのまま挑戦したのです。)
Ariel in Progress
ディティール・アップ:
小さな張り合わせモナカのような(これはオーナーの表現ですが)
プラスティックタイヤを修正してスポークを張り、エンジンフィンはアルミ版で自作しました。
2気筒ですので、まったく同じものを左右違いで作らなければならないことに
神経を使いました。
キット自体の歪みがひどかったため、垂直や水平をとることが困難でしたし、
また、アルミ箔張りでは失敗を繰り返しました。
パイピング(特にレバーとの接合部分)や後輪のダンパーの取り付け、フューエルコックなどに
ちょっとした工夫をしています。
また、この大きさでも本皮シートは質感が高まって気持ちがよいものです。
キットについて:
キットは英国AIRFIX社の1970年代始めのもの。知る限りでは同社の
最初のバイクキットです。
メッキパーツも一切なくタイヤまで一色モールド、しかもデッサンも良くない
というグリコのオマケ(失礼)のようなキットです。
当時新橋のステーションホビー(懐かしいね)で2個も購入。
エアフィックス社は1/72の飛行機モデルでは、このようなビニール袋入りを
シリーズで多数出していましたが、さすがバイクモデルは評判が悪かったようで
第2作目のBSA C15ではボックスになり、このアリエルも後年は箱入りしました。

God Hands Sugita氏が述べているように、これは私からのプレゼント。
精密、正確さに拘るS氏に、「プラモデルってえのは、そんなもんじゃないよ。
昔はこんな最中の貼り合わせみたいな可笑しいキットもあったんだよ」と見本で
あげたつもりだったんですが、それをまあこんな素晴らしい仕上がりにして
しまうなんて・・・。
彼の高いモデル製作技術と取組みの真面目さには驚き呆れています。
Kim's House Garage オーナー

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